「なにそれ!」


会って第一声、一之瀬がわたしを指さして叫んだ。
その指を掴んでひねりあげるとあいたた!とまた叫ばれる。やめてビッグリアクション!!ぐっとそのまま引っ張ると、案外おとなしくついてきてくれた。


「ぶぁか!」
「ちょ、なんだよ!」
「もう、ほんと気にしてるんだからさあ!一之瀬はただでさえ目立つんだからやめてください!」


そういうと、不満そうに口を尖らせる。べつにかわいくないし。くるんとした睫毛とか、大きい目とか、うらやましくないし。


「でもそれ、」
「うるさいうるさいうるさい!なにも聞きたくない!」
「ちょっ」
「失敗です!大失敗!」


そう断言した瞬間、さっきまで騒いでいた一之瀬が口を閉じた。それからじっと見つめられる。あわてて隠すけど、一之瀬はにっと笑って、すぐ手をどけてしまった。


「おれは、そういうのもかわいいと思う」


一之瀬を見たまま、かたまってしまう。すぐにほほに上る熱。だめ、だめだ、こんなの。
なのに、一之瀬は少しだけかがんで、わたしの切り揃えられたばかりの前髪の上からキスをした。
またにっこり笑った一之瀬はわたしの頭を満足そうになでた。ああもう、惚れちゃうよ。いいの?





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