時計をみる。一時間前。少し早く来過ぎたかもしれない。でもあの子がもし少しでも早くきたら、そう思うといてもたってもいられなくなってしまうのだから仕方ない。一人になるのが最近なんだか不安らしいから、こうしてできるだけ側にいる。まあ友達といる時間も増えてて、そこは少しだけ妬いてるかな。少し前までは、やっぱり二人の時間が長かったしね。 持ってきた缶に口をつけながら疲れの残る体に喝を入れる。ああ、癒される。また今日も頑張ろう。



「やっぱりゴミがあらされてるの、気のせいじゃないよ誰かにずっとつけられてる感じするし見られてる気がするし、もうやだ助けて、」



向こうから泣きそうになりながら通話口に叫ぶ君がやってくる。不意に目があって、かるく微笑む。と、恥ずかしそうに唇をかんで会釈を一つして、足早に去っていった。ああこの缶は昨日あの唇に触れていたんだと思うと、それだけでやはり疲れなんか吹っ飛ぶ。
さて早く行かないとまたあの子を一人にしてしまう。それは良くないよね。君がいつか僕に気づいて、この愛に触れて、僕を愛してくれるまで。僕は君を守りながら、ち続けるよ。





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