さめざめと泣くそのほそい肩を抱き寄せて、両腕に閉じ込める。この醜い独占欲なんてしらないから、すりよって、その手がまるで僕を求めてるみたいで、よけいに僕のものにしたくなる。


「泣かないで」
「だって、だってはるやが…っ」


知らない。知らない。きつく抱きしめて、そんなの忘れさせるみたいに、強く強く。
やわらかな髪に指をとおして、そうっと梳く。やさしい匂い。


「ひどいね、君を泣かせてばっかり」
「ひ、ぐす…」
「本当なにを考えてるんだか」
「…う、」
「僕のとこ、おいで」


奪うつもりなんて毛頭ない。俺はただ君が大切でほしくて仕方ないだけ。ほしいものを手繰り寄せるのに、なんでいちいち南雲の許可がいるの?
耳元でゆっくりくと、君はいやいやと首を横に振る。そうじゃないでしょう。違うよね?すきだよ、そう甘ったるく告げると、君は僕の腕の中でますます小さくなってしまった。嗚呼、ただただ愛おしい。




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