そうっとめくったアルバムの、一番新しいページ。ものすごい笑顔のみんなが写っている。いい写真、なんて我ながら思ってみたり。
「お、またアルバムか?」
覗き込んできた星をおもいっきり押し返す。だって見られたくないし。
「ちょ、見るくらいいいじゃねえか!減るもんでも」
「減るの。減るからやめて」
「なにが減るの!?」
どうしても見られたくなくて、さっさと閉じて適当に指をさす。不思議そうな顔をする星。ほら。
「あっちにニノいたよ、リクと」
星はものすごい勢いでそっちを向いて、でもそれからわたしが閉じてしまったアルバムをものすごく見たそうにこちらを向く。
迷ってんだろうなあ、なんて思いながら、その背中を一押し。
「アルバムなんていつでも見れるじゃない」
そういうと、はじかれたように走り出す星。笑顔で見送って、そうっとアルバムを開いた。
どの写真にも、君はいる。
風きもちー、なんて小さく呟きながらアルバムを閉じてカメラを持つ。いこう。あなたみたいに素直にはなれないから、レンズ越しに見つめるの。