[ 08/15/23:52 ]

またフラれた意味わからん。今までこんな彼氏ころころ変わらんかったし、そもそも一人やったし、ちゅーか私なんやの。人生四人目の彼氏は、さっきおもしろくもないギャグいうて笑かそうとして失敗してからいなくなりよった。むかつく。むかつく!
涙も出んし、むしろため息が出る。頭いたい。しにたい。


「いや自業自得っすわ」
「どう考えてもアンタのせいやろ!!」


財前は興味なさそうに携帯をいじっている。そもそもこいつがおかしい。なんで、彼氏と二人で中庭におるときにやってきて、平然と私の隣に座るんか。ちゅう三秒前やったやん。空気読めよ!しかもこいつ中等部やし。なんで高等部の中庭まで、昼休みに、くるのか!そのせいで、ふられた。さいあく。(きっかけに過ぎなかった?ちがう、毎回そうやったから)
こいつなんてキライや。
嫌で嫌でしょうがなくて、きっと睨んでやる。財前は素知らぬ顔で携帯をいじっていたが、ちらと一瞬だけ視線を寄越して、またすぐに画面へ。…もう相手すんのがいやや。


「先輩」


立ち去ろうとした瞬間、ぐっと手をひかれる。相手はもちろん財前で、振り返らされるのと同時に前髪をさらりとはらわれた。ちゅう、とやわらかいものがそこにふれる。は。
ぱっと顔をあげると財前が平然とした顔でいて、よしよしとそこを撫でられた。


「怒らんといて、先輩」
「…私が何に怒ってるか、知ってんねんな?」
「しゃあないやろ。アンタの横に俺以外の男がおって、笑っとんの見ると腹立つねん」


ま、惰性っすわ。

ぺろんと悪びれなく自分の薄いくちびるを舐めた財前が、全ての元凶、元カレだったりする。惰性ってなんだコルァ。ばくはつしろ。



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