[ 05/05/21:08 ]

「わっ」腹が減って台所を覗いたら、女中が一人冷蔵庫を開けたまま腰抜かしているところに遭遇した。「…何してんだお前」女はへらりと笑って、「瞳孔ガンガンに開いた男がいたもので。あ、開いてるか」と失礼な事をほざいた。軽く蹴飛ばすと、ぎゃあ、とかわいくない悲鳴。ったく、こいつのつまみ食い癖はいつになったら直るのか。「テメー給料から引くからな」「土方さんは!?」「俺ァ仕事してたからいいんだ」蹴飛ばしたおかげで邪魔者がいなくなった冷蔵庫を開ける。と、女がまたもぎゃあ!とかわいくない声をあげた。「だっだめです」「あァ?」「土方さん用にマヨで作ったケーキ、が…」あ、という顔をする馬鹿。おい。なんでんなもん、と言いかけて気づく。やたら鯉のぼり見たよなぁ、今日。…誕生日だ。「お前…」「や、あの」頬を染めるコイツをなんとなく直視しづらくて、冷蔵庫の中に居座る神々しい黄色の塊を見る。「流石にこれは、趣味わりーよ」あー、すんませんマヨネーズ様。/ロマンスでありたい夜更

照れ隠しかマジかはお好みで。


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -