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定期的更新、短文や会話文や過去に書いた小説をうpします。

▽Be mine
【復活百正 以前うp済み】

「あれ、ここは天国?」

僕の目の前に真っ白な服を着て眼鏡をかけた天使がいる。
そうか自分はもう死んでしまったのか。すごく残念だけど死んだのなら仕方がない、天からの迎えに来た天使に両腕を広げて従う意を示す。すると天使は溜め息を漏らし、眼鏡のブリッジを押し上げたその手で僕の頬を叩く、それはもう遠慮ない強さで。今時の天使は乱暴者なのか、熱を持ち始めた頬が痛いというよりも熱い。さすがに泣きそうだ。

「正チャン、流石に痛いんだけど」
「白蘭さんが縁起悪いことをいうからです、次に同じ事をいったら頭ぶっ飛ばしますよ」
「あははっ、ごめんね」
「……謝ってくれたので許します、今回は。いいですが、今回は、ですよ。」
「正チャンは優しいなぁ」
「僕を優しいというのなら、逆に白蘭さんは最低な奴です、最悪です、ほんとにもう……ありえない」

無愛想な奴だと思っていたら怒ったり泣いたり、表情の変化が忙しい天使さんだな。
彼は顔を隠した袖口で涙を拭い、きつい眼差しで睨んできた。あぁ、そんな事をしたらまた瞼が真っ赤に腫れてしまう。肌が弱いくせにそんなに乱暴に目を擦ったらだめだよ。

「泣かないでよ、正チャンが泣いたら僕も悲しい」
「なら、もう二度とあんな馬鹿な事しないで下さい。僕は貴方からは離れませんから!」
「……うん」
「白蘭さんのバカヤロー、真冬の海に飛び込むなんて何考えてるんですか、死にますよ本当に」
「でも正チャンが助けてくれたんでしょう」
「僕に感謝して欲しいですね」
「ありがとう、大好きだよ」
「……………」

さっきみたいに両腕を広げてみせると、今度はその腕の中に彼が擦り寄ってくれる。するりと絡まり抱き寄せ、離さない。シャツ越しの体温が冷めた僕の体には温かい、他人の体温をこんなにも心地良いと感じたのは初めてだ。いつもは気持ちが悪いだけなのに。

「貴方が生きていて良かった」
「嬉しい?」
「……はい」


貴方の死に際の顔など、もう見たくない。

When will you be mine ?





END



2011/12/18 05:34 (0)

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