2010/10/28 00:38

「そんなにアイツがいいのなら、向こうに帰ればいいじゃない」
「……」
「俺は君がいなくたって、別にたいして変わらないから」
「臨……」
「帰れよ、俺の前から消えてくれる?このままでも気分悪いから」
「い、臨也さん!!」
「……なに?」
「僕はどこにも行きません、ここにいます、臨也さんと一緒にいます」
(……偽善者が)
「だから……そんな泣かないで下さい」
(お人良しでお節介、だから俺みたいな嫌な奴に寄り付かれるんだ、……馬鹿な子だね)
「君なんか、帝人君なんか、嫌いだ、大嫌いだ」
「はい、分かってます」
「嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い、気持ちが悪い、絶対にシズちゃんの所になんか返さないから、誰が返すか、泣いても許さない、君みたいな嫌な奴なんか俺以外は相手にしてやんないんだから」
「……はい」
「だから、だから……俺のそばから離れないでよ、好きなんだ、大好きなんだ」
「はい、知ってます」
「なんでシズちゃんなの?なんで俺じゃないの?俺はアイツより優しくなんかないけど、君のそばにいてあげられるよ?」
「……はい」
「お願い、俺を好きになって?」


欲しい言葉はそんな愛じゃないのに。
帝人君の「幸せ」がシズちゃんのものならば、「不幸」は俺に頂戴?



好きになってもらいたかっただけなのに。



「どうせ叶わないのなら、壊してしまっても構わないから」


ごめんね?



END
――――――――――――――
本気で可哀相な臨也さんを泣かせたい。

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