2010/06/29 03:05

せめて、せめて今だけは。

「僕を静かに抱きしめて下さい」

そうじゃないと、そうしてくれないと涙が出そうな気分なのです。
流れた涙がキレイすぎて、まるで自分のものではないようだ。
見上げた青空が広すぎて、上を向く首が痛いのです。


せめて、せめて今だけは。

「僕から少し離れて下さい」

そうじゃないと、そうしてくれないと僕はあなたを殴り潰したくなるから。
あなたを思うと嬉しくて、あなたを見ると悲しくなるのです。
ずっと体に触れたくて、気付けばあなたを殴り刺して踏み付けて傷付けてばかり。
本当は、あなたに触れたいだけのに。


せめて、せめて今だけは。

「僕をここで眠らせて」

どうせ、僕一人が眠ったって世界は問題ないはずでしょう。
僕の代わりなど、死ぬほど世界に溢れているのだから。
僕の日常など、所詮その程度。
起きて(生きて)いるのが、辛いのです。







―――――――――――――
……えっと、帝人君視点で小ネタ。
過去の書きかけログを探っていたら、書き覚えのない短文が出てきたので一応投下。

たぶん、何かがあって嫌になっちゃってどうでもいいよっていう気分の時に書いたんだと思います。
その時の自分は何を考えていたのか、激しく気になります。

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