2011/02/26 03:55
※某魔法少女のネタです(他ジャンル)
※恭介←さかや×まどか風味です
※ちなみに百合です
※衝動で書いたので、来週のアニメの結末によって話の内容に矛盾が出てくるかもしれないネタです
※やっちまった^^
※Title by「酸欠」
私は絶対に、自分のためになんか魔法は使わない。見返りなんてなくたってかまわない、誰かが幸せになれるのなら、感謝されなくたって、「ありがとう」って言ってもらわなくたって、世界に必要とされているのならそれだけで。
たとえ、世界に愛されていなくたって。
私はずっと夢をみていた。
私もまどかもマミさんも、世界のすべてが幸せな結末を迎えられる、いっそ幸せに終わりなんて訪れない、そんな夢。
それは昔、大好きだったアニメで使われていた予定調和、私が大好きなハッピーエンド。
幼い私はそのアニメに心震わせ感動し、自分も画面の中の魔法少女のようになりたいと、夢をみつけた。
それから数年、世間知らずだった私は成長して「現実はアニメのように甘くはない」と身をもって学ぶことてなる。退屈と退屈凌ぎを繰り返す毎日、病院のベッドの上で自由を奪われた彼、助けも慰めもできない自分、何も知らずに笑っている友人。現実世界はお伽話ほど、私達に優しくなどない。優しくされた記憶もないのだから、優しくされない悲しさすらも感じることも出来ずに、それでも私は夢をみる。信じていればきっと夢は叶うと誰かがいったから、だから早く、早く私の願いを叶えて!私の世界を幸せにして!
「君の願いを叶えてあげようか?」
アニメの画面から飛び出したような白いウサギ?猫?それとも妖精?が私に言う。
「君の願いは、君の世界の幸せ。そのために彼の腕を治して欲しい、そうだよね?」
あぁ、やっと、私の世界にも幸せになるチャンスが訪れたのだ。画面の中の魔法少女、私が夢みていたそれが夢から現実となったのだ。
「その代わりに、君には願い相応の対価を支払ってもらうことになるんだけどね?」
私に、幸せになれる、権利を。
「さぁ、僕と契約を」
やっとこれで貴方を救うことができるよ、恭介。
私は絶対に、自分のためになんか魔法は使わない。見返りなんてなくたってかまわない、誰かが幸せになれるのなら、感謝されなくたって、「ありがとう」って言ってもらわなくたって、世界に必要とされているのならそれだけで。
たとえ、世界に愛されていなくたって。
でもね、でもね。
時々思うの、世界を救うのは私以外にもできたんじゃないかって。恭介を救うために他の方法があったんじゃないかって。後悔はしたくない、でも後悔しない人間なんてまともじゃない。それとも、私はもう人間じゃないから後悔なんてしちゃいけないのかな?何でかな、後悔なんてしてないはずなのに何で涙が出るんだろう。
世界を救いたい、誰かを幸せにしてあげたい、世界が私を愛してくれなくたって私は世界を愛してあげるの。見返りなんていらない。
でもね、でもね、でもね。
時々、いや今もそう、私を愛してくれない世界が憎くて仕方がないの。全部全部、なかったことに。理由も分からず流れる涙も、どうすることも出来ない胸のこの痛みも、全部壊してなかったことにしてしまいたい。
私は、愛する世界が憎たらしい。
魔法少女として動けなくなった私は消えましょう、私を愛してくれない世界の片隅で。
―――――ごめんね、まどか。
「……さやか、ちゃん?」
ねえお願いどこにも行かないでそばにいて私を愛して。
END
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