2011/02/17 00:51

自分が子供じゃないと思いはじめたのは、青春を謳歌するような歌詞に心が震えなくなったと自覚し始めてからだ。
青春時代、つまり俗にいう学生時代というのは本当にいい。面倒な事や歪みはあるものの学生の毎日は、刺激的に感情的、しかしなによりも平穏なのだ。自ら問題や行動を起こさない限り、生命の危機など訪れたりしない。いや、自分の身に降りかかる苛めや進路などの問題に悩んだりして「死にたくなるような不安感」を抱く奴もいたから、間接的には生命の危機はあったのだろう。だが、大半の奴らはそこ(不安感)から立ち直り、だいたいの奴は今では普通に生きている。正直いうと学生時代の悩みなんてそんなちっぽけなものだ。
あっ、いやいや、学生の諸君。俺は別に、君が今抱えている悩みを揶揄しているわけではないんだよ。学生時代の誰にも一回は訪れる、死にたくなるような不安感、呼吸も忘れるような脱力感、全て終わったような倦怠感、不愉快を晴らすための破壊衝動……怖いよね、恐ろしいなぁ、思い出すだけで膝が震えちゃうよ。そんな気持ちからなる学生特有の悩み。
君、去年の自殺死亡者数調べたことある?なら、そのうち何パーセントを未成年が占めているかは?それだけの数の子供が毎年上から下へと飛び降りて、自分の体を傷付けて、自分を無理矢理眠らせて、そんでお空へ逝っちゃうんだぜ。癒せぬ傷をその胸に抱いてそのまま。可哀相だね、彼らは最期に何を考えて消えちゃうんだろう。まぁ、そんなの俺なんかが想像できるだなんて思っちゃいないけど、俺が愛する人間の最期ぐらい妄想したいよね。だってほら、俺はまだ死ぬ予定なんかないし。君もそうだろう?違うの?

まぁ、いいさ、君が何かに悩んでいるというのなら、とことん悩み続ければいいよ。悩み、悩み悩み、そして途中疲労感で諦めて、また何かの拍子で悩み、悩む、ずっとそれを繰り返せばいい。
何でこんな意地悪を言うのかって?それはね、俺は君に嫉妬しているからさ。どうしたって俺はあの素晴らしい日々には戻れない、それにひきかえ君はまさに青春を謳歌している真っ只中。君にというか青春に嫉妬しているのさ、甘酸っぱい青春ソングなんて聴くだけで胸糞悪くなるくらいにはね。
あぁ、うん、そうだね。どうやら俺はリアルタイムで青春満喫してる奴が嫌いみたい。
でもね、もっと嫌いな奴もいるんだよ?過去ばかりを振り返り、今や未来をまったく愛そうとしない人間の底辺みたいな、そんな奴。毎日毎日、嫉妬や妬みを他人にぶつけて、惰眠と暇ばかりを弄ぶ。そんな今の自分に違和感も悲しみも感じない、俺個人としては生理的に受け付けられないタイプだね。

今、少しでも動揺を感じた奴。
とりあえず"今"を愛することから始めようか?



嫉妬から愛して、
君は今何を思っているのかな。

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