2011/02/16 03:45

胸は二の腕のさわり心地に似ていると、誰かがいった。でも彼女の胸は二の腕ほど柔らかくなどなかった。
胸にはエロと夢が詰まっていると、誰かがいった。でも彼女のそれはエロと夢を詰められるほど大きくはなかった。
そんな貧乳な君でも好きだ大好きだ愛していると俺がいえば、彼女は絶対零度の眼差しで睨んできた。ちなみに強烈な裏拳もおまけに付けて。
だったらその証拠を見せて下さいと彼女がいうので、俺は彼女の胸を掴み「俺が君を育ててあげるからね!」と答えて揉んでやった。
その後の記憶はあまり覚えていない。ただ一つ思い出せるのは、両手を襲った間接技の痛み、痛み、痛み。

そんな俺と帝人君のなりそめから早一ヶ月。この頃の彼女はその「竜ヶ峰帝人貧乳育成計画」を嫌そうな顔をしながらも大人しく甘受する。

「熱心ですね、臨也さん」
「毎日続けることが肝心だからね、塵も積もれば山となる、日々精進、一進一退」
「なんで一退してるんですか、超絶失礼なんですけど」
「帝人君の貧乳は強敵だからね、舐めちゃいけないよ」
「舐めるとか生々しい言葉を今、いわないで下さい。次言ったら臨也さんのこの腕を本気で逆パカしますよ」
「逆パカって帝人君、それ携帯に対して使う言葉だからね。人に対しての言葉じゃないからね、酷いからね」

ぐにゅ、むぎゅ。

「むっ……」
「ん、どうしたの、帝人君?」
「……いえ、なんでもないです」
「そう、なら続けるね」

ぐにゅ、むぎゅ、ぎゅー。

「…………」
「んー?」
(楽しみやがって、変態が)



竜ヶ峰帝人。
彼女のちったい胸は日夜、折原臨也の魔の手によって育成されている。

END

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