2011/02/06 04:57

今年初めての見た雪は、夢の中の池袋だった。
空から降る雪は全部ピンク色に染まっていて、まるで桜の花びらが舞っているかのよう、こんなのが漫画でもあったなーと感動した。漫画の中ではキャラがこの綺麗な光景を眺めながら涙を流すのだが、困ったことに僕には流す涙もなければ理由もない。いや、理由がないから涙が出ないんだけど、理由があれば泣けるのかと聞かれれば答えに詰まる。百パーセントの誠意で「そうですね」とは答えられないからだ。嘘を付けない人間は苦労する、だから君は苦労する。いつか彼に言われた言葉が今ふと頭を過りる、そして僕は楽しくない気持ちになり、彼に舌打ちをしたくなるのだ。余計のお世話、貴方にだけは言われたくない事でしたが、僕は苦労人で結構、どうにでもなれ。そもそも苦労の殆どは貴方が企てた事だというのに、今更僕に人生の上手い渡り方を諭すとは何という不条理。貴方の話には一々筋が通っていない。まあ最初から筋なんて通そうと思っていないのなら仕方がないのだが、それはそれで貴方の頭は残念という事が明らかになる。たぶんそれは僕にとって空に自動販売機が飛ぶくらい愉快な事実なんだと思うけど、だけどすみません、貴方の話をするのが飽きてきちゃった。みると相手はお腹を抱えてけらけらと笑っていた、僕の話がおかしいと言う。確かに今の僕の言葉は電波気味なのは分かっているが、今のこの場所は僕の夢の中なんだ、僕の好きに話を進めたって誰にも怒られない。そうでしょう?

彼はピンク色に染まった雪を掌の上で溶かしながら「面白くないね、俺ならこの雪全部を光らせるけどな、そうしたら星が降っているようで素敵だろ」と笑った。





もうじき長い冬眠から目が覚めて、夢の世界も終わりを迎える。朝に起きれば現実の池袋ではまたいくつもの物語が始まるのだ。

『あの、春を待つ』

春になれば戦争が始まる。









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今書いてるネタが思いの外長くなりすぎたので明日か明後日かまた今度か、Mainにて更新します。
今日はこれにておやすみなさい。
(最後に一言、もうすぐデュラ新刊発売ですね!楽しみすぎて吐血しそう!)

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