2011/01/24 11:08

真夜中、付けっぱなしの深夜番組にまだ片付けていない夕飯の食器。
僕らは互いに、ただずっと無言で違う場所に座っていた。
白蘭さんはソファーの上、僕は床の上。
深夜の静けさの中に、僕らは埋まっていた。
ふと白蘭さんがソファーの上から僕の腕を引っ張り、そのまま自分の足の上へと僕を座らせた。
後ろから抱きしめてくるその腕が強すぎて、なんだか少し怖かった。


「ねえ、正チャン」
「……はい」
「好きっていって」
「は?」
「大好きって、超好きって、いいや愛してるって」
「突然、何言い出してるんですか」
「超愛してるっていってよ、ねえ」
「……なにかありました?」
「別に、今なんだか無性に正チャンのことが……好きなだけ」
「そうですか」


『僕も今、どうしようもないくらいあなたが好きですよ』


深夜の静けさに爆発した、恋心。
それは上手に言葉に表現できないような感情ではあったけれど。
テレビで流れてる下らない戦争のニュースなど、僕らにはもう聞こえていない。


END
title by「Aコース」

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