2011/01/23 03:12

餅さん宅の携帯擬人化設定をお借りしました、学人+遊馬崎さんです。
(でもちょいちょい餅さん宅の設定とはズレてしまいました、バルス)








「マスターは何色が好きですか?」
「色?」

深夜、机の上にいた学人がその小さな体を精一杯使って、10色入りカラーペンとノートを俺の前へと引っ張りだしていった。
"遊馬崎さんの好きな色は何ですか?"
そういえば学人に顔の良く似た彼にも、つい最近同じことを聞かれたな。
その時はなんて答えたっけか。

「マスター?」
「ん?あっ、そうっすね……学人君色!」
「僕色?……緑色?」
「はい」

学人には悪いが正直、適当に答えた。好きな色など青以外ならなんでも良かったから。
でも学人本人が自分の色が"緑"だというのなら、俺は緑が一番好きになれるかもしれない。あぁ、そうだ、これから同じことを聞かれたら"好きな色は緑です"と答えよう。僕は緑が好きです。
分かりましたと笑った学人は、カラーペンの束から俺が指名した色を取り出し、真っ白なノートに何かを書きはじめる。ちょうど彼の体がかぶって何を書いているのか読めなかったが、一生懸命な後ろ姿がすごく可愛かった。

「はい、できましたよー」
「うん?……」

『マスター、HAPPY BIRTHDAY!!』

「……か、学人君」
「お誕生日、おめでとうございます!マスターのこれからの一年が幸せでありますように」

まさに天使、照れたその顔、まじ天使。
ノート1ページに大きく書かれた文字、その小さな体で書くのはさぞ苦労したろうに……。

「感動しすぎてどうしたらいいのか分からないんすけど、とりあえず、」
「?」
「大好きだぁああぁああ!がっくうぅううんんん!!」

思わず両手で持ち上げて、力強くほお擦りしてしまう。俺の手の中で学人はくすぐったそうにけらけら笑って、時々その小さな両手で俺の頬をぺしぺしと叩く。力み過ぎて息苦しかったようだ。



ノートいっぱい分のお祝いの言葉を、大切なあなたへ。



遊馬崎さん、お誕生日おめでとうございます!!今年もたくさんの夢と希望と萌えを!!!






おまけ。

『ピンポーン、ピンポーン』
「マスター!お客さんですよ!」
「えー、もうちょっと学人君とイチャイチャしたいー」
「お客さんを待たせてはいけません!」
「むぅ……はい、どなたですk(バンッ!!ぐしゃっ)むぐっ!?」
「マスター!?」
「…………(ボタボタッ)」
「遊馬崎さん!」
「遊馬崎」
「ゆまっち!」
「かつては遊馬崎だった、生クリームまみれの可哀相な人」
「「「「お誕生日おめでとうございます」」」」
「……皆さん、こんな夜中にありがとうございます。が、顔面ケーキはないじゃないかと」
「ままままままマスター!大丈夫ですか!?」
「はいはい、学人はサイケと向こうで遊んでてね」
「でも……」
「がっくん、行こう!」
「ちょ、サイケさっ!」
「……何故、顔面ケーキなんすか?」
「遊馬崎さん前、僕が好きな色聞いた時に"帝人君色"って答えたじゃないですか、でもイマイチ何色なのかよく分からなかったのでとりあえず白色にしたんです」
「そんで白色にちなんだサプライズを私が考えに考えて」
「俺と渡草でお前の顔面サイズに合わせたケーキを探して用意した」
「そこのケーキ屋のショートケーキ、今すげー人気で用意すんの大変だったんだから、味わって食えよ」
「……本当だ、美味しっす」




「でも」




ごく普通に食べたかった。



END

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