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風に揺れた紫苑




現パロで王族ネタ
!パラレルです
アリババ→普通の大学生
アラジン→シンドバットの子供
ジャーファル→アラジンの兄


煌びやかな食器の数々が並べられていた。どれも世界トップレベルの職人たちにオーダーメードにより作られたそれはそれはお高いものだそうだ。
いきなり、大学帰りでバイト先に向かっていた自分が連れて来られた先は世界有数の金持ちたちの金持ちによる金持ちの舞踏会だった。
気難しい服を着せられていきなり偉そうなオッサンに「君は私の息子だ」とかわけわかんないこと言われて最低限のマナー(まぁ常識なことは知っていたけれど)を教えこまれてオッサンと共に前の扉を開けたらそこはもう俺みたいな貧乏人には死んでも見られないだろう光景が広がっていた。
背中の大胆にあいた華やかなドレスを着たハリウッド女優みたいな人たちが何人もいてなんかみるからに紳士な男性とかキラッキラのアクセサリーをつけた子供とか。

まぁなんというか、見たことのない世界が広がっていたんだ。

ドン、っと誰かとぶつかる音と身体の接触した感じ。自分の腰辺りに感じたから振り返る。


「すいません・・・って、え?」

誰もいない?ぶつかったと思ったのに。そう思った矢先、

「ごめんなさい」

ふいに下から聞こえた幼い声。声と同じように幼い容姿の男の子はぺこりと頭を下げて手をふりふり、と俺に向かって振ると父親だろうか、紫色の髪をした男性のもとに走っていった。


(・・・・・・?)

なんか、見たことある?コバルトブルーを水で薄めたような長髪を三つ編みに結った少年。何処かで見たことのあるような懐かしい感じがしたのは気のせいであろうか。

結局その日のパーティーに俺はうろうろして、オッサンに呼び止められて、家に帰る。言われて「家かよこれ城だろ」みたいな場所へ連れていかれた。

白い大きい布団に倒れ込む。アパートの薄汚れた天井とはまったく違う白い綺麗な天井を眺めながら少年のことを思いだしてみた。

(結局誰だったんだろ・・・・・)

考えているうちに俺は夢の中に意識を預けていた。



風に揺れた紫苑
(それは確かでない追憶)



紫苑の花言葉は追憶。昔のことを思い出すという意味です。
20130301 加筆



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