小説 | ナノ


炎4人組のクリスマス。
さて、今年はどう過ごすのやら。



『Happy Merry Christmas』



「ん〜おいしかったぁ〜〜」

ケーキの最後の一口を頬張り、風渦は幸せそうにテーブルに突っ伏した。
12月24日。クリスマスイブのこの日は、毎年4人で集まってパーティーを開くのが恒例行事となっている。

「やっぱ炸羅の作る菓子うめぇよな。甘いの好きじゃねぇオレでも食える」
「当然でしょう。炸羅の作る物にマズイ物なんかありませんよ」
「炸羅のケーキ大好き!1ホール余裕でいけるよ〜」
「…どうも」

悪い気はせずともここまで絶賛されると気恥ずかしくなるもので、炸羅は視線を泳がせる。
そのままそそくさと皿を片付け、洗い物に向かった。

「あなたの料理だってなかなかのものだと思いますよ?ごちそうさまでした」
「今年もおいしかった!全部手作りだもん、二人ともほんとすごいよねぇ」
「料理の腕だけは認めますよ」
「てめぇはいつも一言余計なんだっつうの!」

夕食は毎年、煌伯と炸羅、二人の手作り。料理は煌伯、ケーキは炸羅の専門分野だ。

「お茶でも煎れてきますね」

テーブルを綺麗に拭き終わると、鴉嵐は笑顔でキッチンに向かった。