小説 | ナノ

「…んー?やっとお帰りかよ!遅ぇーんだよバーカっ!!」
「あれユラちゃん、独り?」

小屋に入って真っ先に目に入ったのは、棚の上に置かれたユラちゃん…もといバンダナ。
仮住居として、俺は山小屋を構えている。寝るためだけのもんだから、かなり質素だけどな。
真っ暗だったからもしやと思ったけど…

「てめェが遅ぇーから、旋獄サマ何も食わずにお眠りになったんだぞ!バーカバーカ!俺様だって腹ペコだぞコラ!!」

またあの岩に封印する訳にもいかねぇから、旋獄は俺が引き取ったんだ。
責任もあるし…な。

「おみやげ、ちゃんとあるよ。はい、ユラちゃんの分な」

先程の墓地で捕まえてきた新鮮な魂をユラちゃんに与えてから、俺は寝室へ向かった。