「ハッピーバースデー!」




パンッ!
自室のドアを開けると同時に弾けたクラッカー。瞬間、視界を覆うのはピンクやら黄緑やらのテープと、花束を抱えてにやにや笑うナマエの顔。





「へへー、吃驚した?」





そう言いながら、私の頭から垂れ下がるテープを回収するナマエ。カサリ、揺れるすみれの花束。

正直、驚きすぎて思考が追い付かない。今のこの状況だとか、折り紙飾りだらけの自分の部屋だとか、テーブルに置かれた異様に歪なケーキだとか…。

いつもなら直ぐ様この部屋からナマエを摘まみ出して、嫌みの一つや二つ出てきても良いぐらいなのだが、今日は、





「…ありがとう、ナマエ」

「うわ、セブルスが素直とか…。気持ち悪っ」

「追い出すぞ」

「ゴメンナサイ、…ねぇ、セブルス」

「何だ」

「生まれてきてくれて、有り難う」





貴方と出逢えて、本当によかった
(そう言って彼女は)
(花のように)
(綺麗に微笑んだ)





0109>>>すみれは教授の誕生花。花言葉:慎み深さ