思慮深いというか、妄想癖があるというか…。とにかく魔法史のミョウジ先生は変わった女性だった。今日も今日とて空を眺めては、何やらブツブツと呟いている。まるでミョウジ先生だけ、別の次元に居るような感覚だ。





「ミョウジ先生、」





こういう時は、僕が名前を呼んでも決して気付かない。そう分かっていながら声を掛けてしまうのは、彼女に少なからず興味があるからだろう。





彼女の瞳には何が映り、その頭の中で何が渦巻いているのか。僕は知る由もない。





さて君の海は思ったより深い
(潜る術を、教えてくれないか)





0910>>>title:joy