「きょーじゅぅー」

「絡むな、鬱陶しい」





今夜は私の誕生日(すっかり忘れていた)。なまえがお祝いをしようと、ワインボトルを持ち出してきたのが悲劇の始まりだった。
"ワインは酔いやすいから余り呑むな"とあれほど忠告したのに、ワインが余程美味かったのか、呑み過ぎてすっかり出来上がってしまった。





「今日はたんじょーびなんらからぁ、きょーじゅももっと呑んでくらさいよーぉ」





呂律の回っていない間延びした口調でそう言いながら、我輩のグラスにワインを並々と注ぎたす。





「もういい加減に「駄目れすよぉ!もっとたのしみましょー!」」





半ば強引にグラスを押し付けられ、仕方なく受けとり"もう一生酒は呑ますまい"と思いながらワインを流し込んだ。





かんぱい!
(さぁ、どんどんいきましょー!)
(…はぁ)





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