一瞬だった。
奴の杖から放たれた鋭い閃光が僕の体を貫いた。その瞬間に過ったのは「死」の一文字。

白くなる意識の中、言い様のない解放感を感じながら、僕は堕ちた。





「……―っん」





眼に差した強い光に目を開けると、見覚えのある天井が映った。どうやら死んではいないらしい。





「セブルス!」





声がした方に顔を向けると、頬に幾つも涙の跡を付けて、妙に引きった表情のなまえがいた。





「よかった…、無事で…ほんとに―っ」




"心配したんだから"そう言って、腫れ上がった眼に涙を溜めながら、優しく僕の頬に触れる。

あぁ、僕のことなんかで泣いて、そんなに目を腫らして、馬鹿な奴だな。何故だか僕まで泣きたくなってきた。

そんな感情をまぎらわす様に、なまえの暖かで柔らかな手の感触に身を委ね、目を閉じた。





もし僕が本当に死んだら、なまえはまた泣くのだろうか





愛されていると知って、死ぬのが怖くなった
(泣いてる君を見て)
(生きたいと思った。)





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