「あー、駄目。もう無理!」





そう言ってなまえは羊皮紙(提出用)を投げ捨て、バサリと仰向けに倒れた。額の汗を拭いながら、暑いだの溶けるだのとブツブツ呟いている。





「芝生に寝転ぶと汚れるぞ」

「洗うから良いのー」





間延びした間抜けな声で言いながら、服の襟元を掴み扇ぎはじめたなまえ。まったく、今が授業中だと解ってるのかこいつは。





「早く書かないと何時まで経っても帰れない」

「えー…、私の分もついでに書いてよ」

「断る」

「セブルスの意地悪。大体こんな暑い日に校外学習するって言うのが間違ってるのよ!しかも野草の観察なんて…」

「晴れてるからこその校外学習だろう」

「そうだけど、どうせならもっと楽しい事したくない?」





"例えば飛行訓練とか!"と、彼女は今日一番の笑顔を見せた。確かに、詰まらないのは僕も同じだ(僕の場合、校外学習自体が、だが)。幸い、レポートは既に書き終えている。





「なまえ、」





まだ寝転がっているなまえに、そっと手を差し出すと、頭にハテナを浮かべて目をしばたたかせた。





「"詰まらないのは嫌"なんだろ」





さぁお嬢さん、お手をどうぞ
(セブルスが授業サボるなんて信じられない!)
(…今回だけだからな)





0616>>>title:Aコース