「じゃじゃーん!」





幼稚な効果音と共にみょうじが差し出したのは、銀縁のスクエアフレーム眼鏡。





「…これを僕に掛けろと」

「うん、最近眼が悪くなったって言ってたでしょ?私のお古で悪いけど…」

「遠慮しておく」

「大丈夫だって!悪戯魔法なんてかけてないから」





そう言って、強引に眼鏡を掛けさせられる。すると、途端に今までぼやけていた視界がハッキリと鮮明に映し出された。





「ちゃんと見える?」

「あぁ、良く見える」

「良かった」





そう歯を見せて笑うみょうじが、何時もより輝いて見えるのも、きっと眼鏡のせいだ。





レンズ越しに見た君の姿
(どう?眼鏡欲しくなった?)
(いや、まだ要らない。)
(えー、何で)
(目を細めれば見える)
(…あ、だからいつも目付き悪いんだ)
(なっ!)





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