「じゃじゃーん!」 幼稚な効果音と共にみょうじが差し出したのは、銀縁のスクエアフレーム眼鏡。 「…これを僕に掛けろと」 「うん、最近眼が悪くなったって言ってたでしょ?私のお古で悪いけど…」 「遠慮しておく」 「大丈夫だって!悪戯魔法なんてかけてないから」 そう言って、強引に眼鏡を掛けさせられる。すると、途端に今までぼやけていた視界がハッキリと鮮明に映し出された。 「ちゃんと見える?」 「あぁ、良く見える」 「良かった」 そう歯を見せて笑うみょうじが、何時もより輝いて見えるのも、きっと眼鏡のせいだ。 レンズ越しに見た君の姿 (どう?眼鏡欲しくなった?) (いや、まだ要らない。) (えー、何で) (目を細めれば見える) (…あ、だからいつも目付き悪いんだ) (なっ!) 0214>>>title:Aコース |