一瞬何が起こったのか解らなかった。
数分前まで楽しくお喋りしていたのに、今私はセブルスの下にいる。つまりは、押し倒された。





「…なまえ」





私の顔に掛かった髪を退かしながら、苦しそうに名前を呼ぶ。その表情は、欲情に歪んだ男のそれではなく、今にも泣き出しそうな純粋な少年の顔。





「…僕は、君が好きだ」

「……私もセブルスが好きよ」





そう答えると、セブルスは唇を噛み締めて首を横に降った。





「一番は、僕じゃないだろ」





消え入りそうな声でそう呟いて、セブルスは私の首筋に顔を埋る。





「セブ、ル「なまえ、お願いだ」」





心臓が、破裂しそう








一瞬だけでいい、君の心をくれないか
(そう言ったセブルスの声は)
(凄く、震えていた)










0214>>>
バレンタインに不似合いな話だな

title:Aコース