「(…難しいな)」





自室に戻り、早速レポートを書き始めたが、ものの5分で詰まってしまった。一応アイディアはあるのだが、上手く文に纏まらない。というか、書けない。





「文法が…、ローマ字じゃ駄目かな…、スペル分かんない…、何で日本語じゃ駄目なんだ」





愚痴に近い独り言を繰り返しながら項垂れていると、ふと教授の私室が異様に静かなことに気がついた。





教授の私室と扉で繋がっている自室。
足音くらい聞こえてもいい筈なのに。留守なのかな?なにか用事でも―…、





「あっ!しまった!」





今日は入学式だった!!





******





まずい。非常にまずい。
どうやらもう既に式が始まっているようで、中からは"グリフィンドォォル!"やら"ハッフルパフ!"と言う叫び声が聞こえる。





「(入りづらいな)」





そう思いつつも、こんなところで立っているわけにはいかず、そっと扉を開ければ、すかさず向けられる何百人もの視線。





「お、遅れました!すみま「おお、丁度よかった」





私の謝罪を遮って校長が声をあげた。皆の好奇の視線が更に強まる(羞恥プレイ過ぎます校長!)。





「皆に紹介しよう。魔法薬学助手のナマエ・ミョウジ先生じゃ」





大きな声で校長がそう言うと、割れんばかりの拍手が沸き起こった。





通路のど真ん中で歓喜に包まれた私は、嬉しいやら恥ずかしいやらで、どうにかなりそうだった。





はじめまして、生徒諸君!(この後、教授に課題を倍にされたのは)
(また別の話。)





0219>>>