「(お?)」





ふと窓の外を見ると、スリザリンとグリフィンドールの生徒達が校庭に集まっていた。





「(飛行訓練?)」





…にしては皆箒には股がらず、じっと空を見つめている。先生の姿も見当たらない。





「…何かあったのかな」





過った不安に胸をざわつかせていたその刹那――。ビュンッと、物凄いスピードで何かが真下へと落ちていった。同時に湧き出る、冷や汗。





「―――っ!」





咄嗟に窓を開けて下を覗き込むが、倒れている人は見当たらない。慌てて辺りを見渡していると、煩いくらいの歓声と拍手が沸き起こった。その中心に居るのは、箒に股がって得意気に何かを掲げているハリー…。





「よかったぁ〜」





私の予想していた展開にはならなかったようで、ホッと胸を撫で下ろす。心臓はあり得ないくらいにバクバクと脈打っていた。其を落ち着かせるように、2、3度深呼吸を繰り返していると、突然、バシッと、後頭部に衝撃。





「痛!何すっ…あ、」





犯人は全身黒ずくめで、私がホグワーツの教員の中で一番苦手な上司だった。





「こんなところでサボりとは良い度胸ですな」

「なっ、サボってた訳じゃないですよ!」

「ほう、では"何を"していたのかね」

「…っ、と」





教授の威圧感漂う低い声に、先程とは違った意味で心臓が鳴く。"やっぱりこの人は苦手だ"と、心中で呟きながら起こったことを説明すると、教授はあからさまに顔をしかめた。





「…血は争えぬと言うことか」

「へ?」





ハリーを見つめながらポツリ呟いた教授の声は、威圧感なんて微塵もない、今までに聴いた事がない様な何とも弱々しい声色で、何故かまた、心臓が鳴いた。





ある晴れた日の木曜日
(ハリーがシーカーになりました!凄いですね!)
(うるさい、さっさと仕事をしろ)





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