年末。 何処の家庭も大掃除に明け暮れる季節となった。勿論、私も自室の大掃除に挑んでいるのだが… 「全然終わんないぃぃ!」 もう何時間も頑張っているのに、全く片付く気配がない。寧ろ汚くなった気さえする。此のままでは埒があかないと思い、今まで片付けていた衣類達を部屋の端に寄せ、一番片付けやすそうなベッド周りから攻めていくことにした。 ――案の定、元々物が少ないためすんなりと片付いた。 「よしっ、後は下だけっと…」 そう言いながら、ベッドと床の隙間に積めてある物達を引きずり出した。 「うわっ!こんなところにあったんだ…。」 でてきたのは、もう何年も前に卒業した、とある魔法学校の制服・教科書・杖…。 そして、一枚の写真…。 「あ…」 其処には嬉しそうに微笑む黒髪の少女と、頬を染めて膨れっ面をしている黒髪の少年が写っていた。 「セブルス…」 写真に写る少年の名を呟くと、自然と涙か零れた。学生時代に言えなかった想いが一気に溢れ出す。 あぁ、私は未だこんなにも彼の事が好きなんだ。 In another hometown (貴方は今何をしているの) 0930>>>title:[Hiver] |