「はぁ…、退屈。」





教授に付いてこいと言われ、渋々やって来た或名家のパーティ。

豪華な食事にきらびやかな内装ー…。パーティとしては申し分無いが、生憎パーティが余り好きではない私には苦痛でしかなかった。(教授には悪いけど…。)





「早く帰りたいなー。」





そう呟きながらテラスの手すりにもたれ掛かかった。背後からはワルツの生演奏が響いている。





其を聞きながらぼーっとしていると、突然肩にストールが降ってきた。吃驚して後ろを振り向くと、何時もより少し着飾った教授が居た。





「こんな所に居ると風邪を引くぞ」





そう言いながら、教授も私の隣にもたれ掛かる。





「中に居るよりはましですよ」





私がそう言うと、教授は深く長いため息をついた。





「我輩とて此のような場所は好かん」

「じゃぁ、何で来たんですか?」

「…校長命令だ。」





教授は不機嫌そうにそう答え、何故か私にスッと手を差しのべた。





「…教授?」

「校長命令だったが、用はもう済んだ。」




教授が私の耳元に唇を寄せる。





「我輩と一緒に、抜け出すか?」





そう言って、教授はフッと笑う。
耳元で甘く響いた囁きに抗う理由何て無くて、私はそっと手を重ねた。





Human beings make noise among parties
(私達は宴を抜け出して)
(二人きりの世界へ)





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