・来神とは別の学パロ
・優等生臨也×不良静雄




キーンコーンカーンコーン。

長かった授業が終わり、6限目終了のチャイムが鳴る。
勉強なんてつまらないものだ。
生徒である折原臨也は、心の中でそう呟いた。

成績は学年トップを崩した事がなく、眉目秀麗。
女子から絶大な人気を得ているが、当人である臨也は目もくれなかった。

しかしそれでも人気は落ちる事なく、教師からも信頼されている。

そんな臨也だが、本人は勉強に興味がない。
ただやらなければいけないからやっている程度に過ぎなかった。

運動も技術を要するものも全てに至って。




HRを終え、ぞろぞろと生徒が出ていく中、臨也は窓際の席からぼーっと空を眺めていた。


「…手前、聞いてんのか」

声が聞こえ、はっとして振り返える。
もう誰もいないと思っていた教室に平和島静雄―――学園一の不良―――がいて、臨也は一瞬にして頬を緩ませた。


「シズちゃん、どうしたの?俺に会いに来てくれたのかな?」

普段の真面目そうな顔と雰囲気は崩れ、にっこりと笑う臨也。
それを一蹴するように静雄は答える。



「んなわけねぇだろ、今日掃除当番じゃねぇかとっととやれ!」

そう言うが早いか、静雄は持っていたホウキを臨也に押しつけた。

シズちゃんはツンデレなんだから、と自分の掃除当番を忘れていた事に反省などせず、臨也は仕方ないと押しつけられたホウキを手に取った。


「シズちゃんが掃除するなんて珍しいね」
「手前といると余計なもんまで壊しそうだ」
「うわ、ひっどーい!」
「黙って掃け」



などと会話をしつつ、二人はがらんとした教室を適当に掃いていく。

5分もしない内に「もういいか」という空気になり、集めたゴミを塵取りで取り、ゴミ箱に捨てる。


「やっぱ掃除ってだるいね」

優等生らしからぬ発言に、静雄がため息を吐く。



「手前は本当俺の前だけではキャラ変わるよな」
「だって他の人にばらす必要ないじゃん」

その方が都合いいし、と悪びれもせずにっこりと笑った臨也は、二人分のホウキを掃除用具入れに戻し、鞄を手に持つ。

と、臨也が突然立ち止まった。
ドアの前でくるりと身を翻し、そのせいで静雄はぶつかりそうになり、慌てて足を止める。

「ね、シズちゃん」

なんだよ、そう言おうとしたが、唇が塞がれてしまう。
べろ、と下唇を舐められたかと思えば、臨也はまだぽかんとしている静雄に容赦なく口内を犯してゆく。

「ん、ふっ…!」

いきなり口内を荒々しく貪られ、静雄は抵抗出来ず、臨也の成すがままになっていた。

このままではまずい。
そう思うのに、気付けば自ら舌を差し出している自分に、静雄は羞恥を覚える。


「っはぁ、て、め…」
「あはは、シズちゃん顔真っ赤、かっわいー」

長い口付けから解放され、唇の端から伝った唾液を拭う。

臨也はにやにやとそれを見ながら、静雄の耳元に囁いた。


「場所、変えよっか」

sweet nothings


耳に響く甘い囁き、
ここからは恋人の時間


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