現パロで同棲してる二人
基本的に野田がデレてる











野田と同棲し始めて早1週間。

最初は慣れるまでが大変だと言うが、やはりそれは本当らしい。
3日目くらいまでは今まで家に何度も来てるのに、野田はずっとそわそわして落ち着かない様子だった。

けれど順応性が高いのか、5日も経てば慣れてきたらしく、大分家に馴染んでいた。

とは言っても同棲する前の野田は時々俺の家に来ていたから、俺からすればそれが毎日になったというだけなのだが。

でも変わった事はたくさんある。
例えば―――

「おかえり」
「ただいま」

こうやっておかえりと言って貰える事とか。
ご飯を作って待っててくれてる事とか。
気持ちをうまく口に出せない癖に頑張って素直になろうとする姿とか。


前まで見れなかった姿が次々と見れる新しい生活は、毎日が楽しくてしょうがない。



「ご飯、出来てるぞ」
「ん、ありがとう」

着けたままのエプロンを外しながら俺の前を歩く野田を追い掛けるように廊下を行き、食卓のテーブルへと席をついた。

目の前に並べられる、たくさんの料理。
野田は見た目と違って以外と料理ができる。

始めはどうなるかと思ったが、やっぱり料理が上手いっていいよなあ。
一人暮らししてた時のご飯が懐かしい。

「いただきます」
「ん」

手を合わせて言ってから箸を取る。
目の前のおかずに箸を伸ばし口に入れた。
うん、美味しい。

「美味いよ」
「そうか…いただきます」

俺の感想を聞いて、それだけ言った野田だったが、言葉に反してかなり顔に出てる。
嬉しそうな顔をして食べ始める野田を見ながら、俺も食事を続けた。




風呂上がり。
先に風呂に入った野田はテレビの前に置いてあるソファーでだらけながら、ぼーっとテレビを見つめていた。

「野田」
「な、なんだいきなり」

ソファーの後ろから肩を抱き込むようにして抱き締めると、照れたような声が返ってくる。

そんな反応されると余計いじりたくなって、柔らかい頬を両側からつついてやった。

「らにすうんだ…っ!」

なにするんだ、と言いたいのだろうけど両側からつつかれれば上手くしゃべれないらしく、舌っ足らずだ。

「可愛い」

素直に思ってた事を口に出すと、予想外だったのか顔を赤くして頬をいじる指を引き離された。

「またそんな事を言う…」
「駄目か?」
「…駄目とは言ってないだろう」

ふい、と一瞬こちらを向いた顔が再度逸らされる。
野田の赤くなった顔好きなのに見えなくなった。

見てやろうと腕を離し、野田の前へ回り込む。

「てっ、テレビが見えないだろう…!」
「見てないだろ?」
「見ているっ!」

本当恥ずかしがり屋なんだな。
思いながら野田の隣へ腰掛ける。

ちらりと横を見ると真っ赤な顔で誤魔化すようにテレビを見る野田の姿があった。
やばい、可愛い。

このままじゃここで襲ってしまいそうだ。
そう感じた俺は、心を落ち着かせようと野田と同じようにテレビを見つめた。



こてん。
肩に重みがかかる感覚にテレビから目を離す。

そこには幸せそうに眠る野田がいた。
まったくこんなところで寝て。

ピ、とテレビと電気を消し野田を抱き上げ、寝室へと向かった。


「お…となし…」
「野田?」

連れてきた野田をベッドに寝かせたところで名前を呼ばれ、一瞬起きたのかとびっくりしたがどうやら違うようだ。

けど寝言でも名前を呼んでくれるのは嬉しい。
よしよしと頭を撫でながら、自分も布団に潜り込む。

「んぅ…」
「おやすみ…野田」


明日も変わらぬ幸せな日が訪れるようにと願いながら、目を閉じた。

望む事は一つ

それは、
君と幸せになれる未来


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