この季節暑いのは当たり前だけれど、ここはそれ以上に熱くて、そして温かい。


「あっ、ふぁあ、おとなし…ッ」
「野田…好きだ…」

熱の籠もった声で名前を呼ばれる。
ぐちゅっと耳を塞ぎたくなるような音が幾度も鳴り、ふるふると首を横に振る。

嫌という程敏感な体は、内壁を熱いものに擦られる感覚一つ一つに反応してしまっていた。

汗で気持ち悪いはずなのに、それさえ気持ちいいと感じてしまうのは、こんな状況だから、だ。


「やっ、ふぁあ…っ、だめ、音無…っ!」
「どうした?」

気持ち良すぎて、怖い。
そう伝えると、音無は驚いたように目を見開いて、動きが緩くなる。

絶対口には出さないけどセックスは好きだ…し、その気持ち良さを教えてくれたのも音無だ。
でも時々どうにかなってしまいそうで怖くなる。


「大丈夫、俺がここにいるから。な?」
「ん………大、好きだ、音無…」
「愛してる、だろ?」

動きが止まり、頬に手が伸びてくる。
その手に涙を拭われた。

ちょっとした好奇心で、音無に抱きついたまま少し上体を上げ、耳元で小さく愛してると囁いてみる。

「…これでいいだろう?」
「はぁ…これだから野田は…」

ちょっと自慢げに言ってやると音無にため息を吐かれた。
な、なぜだ?

「お前可愛すぎ…自分の可愛さわかってやってんのか?」
「は…?か、可愛いわけな――ひっ!?」

真っ直ぐに目を見つめられそんな事を言われるものだからそう反論しようすると、中に入ったままの音無のそれが大きさを増した。

「な、わかっただろ?」
「んむっ…んんっん!」

あっという間に唇を奪われてしまう。
数秒口内を貪られ、銀の糸を引きながら唇が離れてゆく。

「野田は可愛い」
「だっ、だから可愛くなど―――んッ、あぁ、ひぁあ…音無!」

律動を再開されて、突然の快感に背中を仰け反らす。
さっきより大きいそれにイイところを突かれる度、自分のものとは思えない嬌声が漏れた。

ぞくりとしながら体を震わす。


「は…っ、気持ちいい?」
「ひぁ…っ、あ、いい…っ気持ちいい…んう!」

素直に口に出すと、満足そうな表情。
早まる動きに翻弄されながら、快楽の海へと身を投げた。

不意打ちの感情

稀にしかない言葉だからこそ、
それには深い意味が込められています


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