「ん…っ、はぁ…」 押し倒した野田に優しくキスをする。 ついばむようなバードキスを繰り返し、きゅっと目を瞑る野田の反応を見ながら、やがてまだしたこともない深いキスに変えてゆく。 「んっ!?は…んんぅ…っ」 野田はぴくっと肩を震わせたが、抵抗する気はないらしく、おとなしくしているみたいだ。 舌を潜り込ませ歯列をなぞると、野田はどうすればいいかわからないらしく、舌を引っ込ませてしまう。 「んん…ふぅう…んっ」 ぱしぱしと背中を叩かれて、一旦唇を離す。 「はっぁ…はぁ…っ」 「ちゃんと息しろよ?」 ゆでダコのように赤くなった顔で睨み付けてくる野田だったが、どうやら息ができなかったらしく、息を切らせていた。 本当に何もかも初めてなんだなと改めて感じながら、野田の息が落ち着くのを待つ。 「次は舌引っ込ませないようにな」 「ん…ふぅっ…っ」 キスは嫌じゃないらしく、野田は俺の首に手を回してくる。 舌を侵入させれば、言った通りに引っ込ませないでくれたから、それに自らの舌を絡ませた。 「んっ…んぅ…ふ、はぁ…!」 そうすれば野田も少しやり方を察したのか、控えめに舌を動かしてくる。 その感覚にぞくぞくしながら、服に手をかける。 ふるっと反応して、野田が薄らと目を開いた。 「っはぁ!な、なにをする気だ…っ?」 ぐいっと頭を押されて唇が離れる。 飲みきれなかったどちらのものともつかない唾液が野田の口の端から零れる。 それにしても、なんて説明するべきだろうか。 「セックスはさ、愛し合うのと同時に気持ちいいものなんだ」 「む…?」 「キス、気持ち良かったか?」 聞けば、目線を逸らして野田は小さく頷く。 うわ、可愛い。 「これからもっと気持ちよくしてやるから、」 俺の言うこと聞いてくれないか? 耳元で囁けば、小さく喘ぎ、野田は首に回した腕に力を込めた。 これは肯定ととっていいよな。 ブレザーを脱がし、適当にベッドの下へ落とす。 ネクタイをしゅるりと解くと、野田は恥ずかしいらしく耳まで真っ赤だ。 解いたネクタイもベッドの下へ落とし、シャツのボタンを外しにかかる。 外し終えて、シャツを肌蹴ると、筋肉質で滑らかな肌が露になった。 するっと鎖骨あたりに手を滑らすと、野田は小さく声を漏らした。 薄っぺらな胸を撫で上げ、突起を指の先で弄る。 「ぁ…っ」 「気持ちいいか?」 「わかん、な…っひぁっ」 きゅうっと摘んでみれば、気持ちよさそうな声が上がった。 ぽんぽんと回った手を下ろさせ、首にねっとりと舌を這わせる。 突起を弄りながら首筋に強く吸い付く。 「や、ふぁあっ…音無…っ」 唇を離すと、首筋には赤く鬱血した跡が残っていた。 支配欲が満たされてゆくのを感じながら、首筋から胸に移動し突起の周りを舐め、さっきよりは弱く吸い付く。 「んああっ!やだ…それっ、ふぁんっ」 「気持ちいい?」 「っあぁ、変な、感じ…ひぅっ」 変、とは言うが嫌がらないところを見るとたぶん気持ちいいってことだろう。 甘ったるい声を上げて喘ぐ野田の姿に切れそうになる理性をなんとか押さえつけ、一旦口を離す。 自分もブレザーとシャツを脱ぎ捨て、上半身裸になる。 野田はちらりと俺の方を見たかと思えばすぐ横を向いてしまった。 「野田、こっち向いて」 「ぅ…」 中々こっちを向こうとしない野田。 その頬にちゅっと口付け、そのまま下へと舌を這わすと、びくびくっと体が震えたのがわかった。 「んんんっ…!」 無意識だろうけど、ぎゅうう、とシーツを掴む手に力が入っている。 今度は鎖骨あたりに吸い付き跡を残しながら、ズボンへ手をかけた。 「や…っ、やだ、音無…!」 止められたが、俺の理性も保ちそうになくてガチャガチャとベルトを外し、下着ごと膝下まで下げた。 完全ではないが既にそこは勃っていて、感じてくれてた事に嬉しくなる。 「みっ見るな…!!っぁあ!」 野田のそれを掴み、ゆっくりと上下に扱く。 すぐにさっきより勃ち上がったそれを愛撫しながら、意味の成さない短い言葉を吐き続ける唇を塞いだ。 「んんっ、ん!んんあっ…んっ」 左手で胸を触りながら、右手は扱くのをやめない。 舌を絡ませ唾液を送り込むと野田がこくりと喉を鳴らし、それを飲み込んだ。 唇が離れる。 「音無…っこれ、怖、い…!」 野田は大きすぎる快感を受け止められなかったようで、そう訴えてきた。 ちょっと急かしすぎたと反省して、頭を優しく撫でる。 今にも泣いてしまいそうな、涙の溜まった瞳。 ―――やっぱり我慢できそうに、ない。 「野田、ごめん」 「ひっあ!?んあ、ふあぁっ!」 それだけ言って、顔を下へずらし、勃ち上がっている野田のそれを口に含み、舌で愛撫する。 じゅるっと音を立てて吸えば、野田は甲高い声を上げ、先程より強い快感についていけないのか、シーツを強く掴んでひっきりなしに喘いだ。 「ひああっ!あ、やだぁ…あ!おとなしぃ…ッ」 先端を尖らせた舌で抉るようにしてやれば、野田はあっけなく達した。 はぁっと荒く息を吐く野田を見ながら、口に含んだままの白濁を手のひらに吐き出す。 「ふっ、は、ぁ…っ、おとなし…っなにす、」 「ちょっと痛い、かもしれないけど…ここに、俺のを入れるんだ」 「そ…っ、そんなもの入るわけないだろうっ」 「大丈夫、俺に任せてくれたらすぐ気持ちよくしてやるから」 ぬちゃぬちゃと白濁を指に馴染ませ、一本後ろに挿入してゆく。 「ん…っう、うぅ…っ」 初めての感覚に眉を寄せる野田の頬を撫でながら、指を押し進める。 何度か出し入れすると、白濁のお陰で少しずつだが中が緩まってきた。 奥まで指を埋め、ぐるりと動かしてみる。 「んあああっ!あ、やぁ!」 「野田、こっち」 ぎゅっと抱きしめ、シーツを掴む手を背中に回すように誘導する。 縋るように抱き付いてくる姿が可愛い。 「もう一本、いくぞ」 「やぁ…っ!あ、あ、んぅ!あうっ」 始めより大分緩んできたそこを、二本の指で掻き回す。 温かい内壁を探りながら、指を当てれば、一点を擦ったところで野田が悲鳴にも近い声をあげた。 「ひうっ!あぁあっ!」 ぐちゅっと卑猥な音を立て、そこを狙って中を掻き回す。 するとそこはもっとしてと言うように、きゅうきゅうと俺の指を締め付けてきた。 「ふあぁ、あ、んっ!」 集中的にそこを刺激してやれば、野田はいやいやと首を振って快感から逃げようとする。 指を三本に増やし、じゅぷりと音を立てて、そこを突くように出し入れした。 「ひっ、あっ…やぅっ、あぁ」 それを繰り返すと次第に野田から力が抜け、熱の籠もった目でぼんやりと見つめられて。 埋めていた指を引き抜く。 「お…となし…、」 「野田…入れていい、か?」 自分のベルトを外しながらそう聞く。 やがて頷いた野田を確認してから、その体を組み敷いた。 「好きだ、野田」 「俺も…だ…っ」 愛してる、囁いて足を開かせる。 野田のそこにあてがい、できる限り優しく腰を押し進めた。 「うっ、ん、いた…っい、ふぅうっ」 「野田、力抜いて…っ」 本来この行為に使うはずではないそこは、やはりキツい。 痛みを少しでも和らげてやろうと、キスをする。 「んふぅうっ、んあぁ、んんっ」 キスで力が抜けたのか、逃げようとする腰を押さえて、なんとか全てを埋め込んだ。 ぎりっと背中に爪を立てられたが、それさえも愛しく感じる。 はーっと息を吐く。 「は…ぁ、おとなし…」 「大丈夫か…?」 「ん…、だいじょ、うぶ、だ」 繋がった部分から快楽が伝わる。 それと同時に幸せだなとも感じた。 しばらくそのままじっとして、野田が落ち着くのを待つ。 「ん…っ音無、次、はどうする、んだ…?」 少し期待したような目で見つめられる。 初めてなのにここまで感じれるっていうのは、そういう素質があったのかもしれない。 もう羞恥心なんてどこかへ行ってしまったらしい、二人共ただただ快楽を求めて動き始めた。 * 「おはよう、野田」 「おは…よう」 朝起きて最初に見えたのは、幸せそうに笑う音無の顔だった。 昨日いきなりあんな事をされたというのに、悪い気はしない。 最後の方は記憶も曖昧でよく覚えていないが。 気持ちいいのは好きだ。 それに音無にされるとおかしくなりそうなくらい、気持ちよかった。 思考が変な向きに傾いていくのを感じて慌てて首を振る。 「それじゃ、俺は校長室行って今日は野田来れないって伝えてくるから」 「なぜそう言う必要があるのだ?俺は別に――」 動けるぞ、そう立ち上がろうとして、腰に激しい痛みが走った。 驚いたのもあってベッドに倒れ込んでしまう。 「い…っ」 「だから言っただろ?俺も今日はずっとここにいてやるから」 おとなしく待っとけ、そう頬にキスされてぽかんとしているうちに、音無は部屋を出ていってしまった。 追い掛けるにも追い掛けれなくて、言われた通りおとなしくベッドに体を預ける。 天井を見つめながら、早く帰ってこないかな、とぼんやり思った。 ずっと側にいてください 貴方がいれば きっとどんな時でも幸せだから |