いつものように校長室に集められる。
今回は一般生徒から食券を巻き上げるオペレーショントルネード。
何度もやったからやり方はいつも通りで慣れてきた。

「じゃあそれぞれ適当な位置についてくれていいわ」

ゆりはそう言い、みんなの前で声を上げる。

「オペレーション、スタート!」

その開始宣言と共にばらばらとみんなが部屋から出ていった。
俺もそれに流されるように校長室を出る。

適当に外に出て歩く。
歩くまま、俺は第二連絡橋に行く事にする。

比較的ゆっくりと足を進め、橋へと着く。

「…誰だ?」
「お、野田」

そこには先客である野田の姿があった。
すぐ不機嫌な顔になったが、俺の方を見て一瞬嬉しそうな顔をしたのを見逃さない。可愛い。
野田は片手で担ぎ上げたハルバードを下ろした。

会った当時はよくわからない位置にいる奴であんまりまともな会話をした事がなかった。
まず出会いが衝撃的だったからな。

「あとちょっとか?」
「…そうみたいだな」

まだ天使は来ていないようで、前方の奴らが足止めしてるのか、ライブの曲と生徒達の声だけが辺りを満たしていた。
俺がそう言うとちらりとこっちを見てくれた野田を見返しながら、今日は何にしようかな、と考えた。

「なぁ野田」
「なんだ」
「今日は何食べる?」

そろそろかと二人で体育館の方に向かいながら、特にやることもないのでそう聞くと、野田は数秒考える。

「貴様は?」
「んー…、肉うどんか、麻婆豆腐かな」

野田は?と聞こうとして、大きな風が吹いたかと思えば、その風と共に食券が舞うように飛んできた。


野田はそれを取っては捨て取っては捨て、お目当ての食券を探している。
俺は適当に取りやすいところにあったものを掴む。


「麻婆豆腐、か」

俺の手が掴んだのは激辛で有名な麻婆豆腐。
めちゃくちゃ辛いが、味はいいのだ。

「また麻婆豆腐か?」
「あぁ、おいしいしな」
「いや…あれは辛すぎて料理になってないと思うぞ」
「あの辛さがいいんだって」

呆れたように言う野田にそう答える。

「野田、一緒に食べないか?」
「…、……ああ」

ライブが終わる音が聞こえて、そのまま先頭を歩く野田を追い掛ける形で食堂へ向かった。

これからも

ずっと一緒に
まだ見ぬ未来へ進もう



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