ほとんど野田が一人でしてるだけ。ぬるい。








「くっ…ふ、ぁ、」

ぐちゅ、と濡れた音が響く。
自分がなぜこんな事をしているのかわからない。

音無の寮室にきて、音無の帰りをハルバードを磨きながら待っていただけ、だったはずなのに。

磨き終わって、鍛錬の後で疲れてたし、まだ帰ってきそうにもなかったから、ベッドに寝転んだら、漂う音無の匂いに、変な気分になってしまった。

そうして、気が付いたら行為に浸っている自分がいた。

「は…っ、ふ…!」


最近は色々あったらしく会う時間がなくて、だから今日待ち伏せしといてやろうとここにきたのに。


湿った水音が響く。
気持ちいいには気持ちいい。
でも足りない。
一人でやるのなんて久しぶりで、
ふるふると首を振って、緩い快感に耐えた。

ぎゅ、と目を瞑る。
頭の中に思い浮かべるのは、音無の姿。
自身を弄っていた手はそのままに、反対の手で震える指先を後ろへと伸ばした。

「…っ!」

先走りに濡れた指先をゆっくりと差し込む。

何度も音無のそれを受け入れた事のあるそこは、容易く指を飲み込んだ。
一本を奥に埋め込み、息を吐く。


「んっふぁ…はぁ、」

指をゆっくりと動かすと、中からの刺激に体が歓喜するようにびくびく震えた。

気が付くと指を増やし、いつもされているものに近付けるような動きになっている。

3本の指で中を掻き回し、自身を扱く。
もう何も考えられなくて、絶頂が近い事がわかり、ラストスパートをかけた。


「んっ…あ!や…おと、なし…ッふぁ!あ、あぁ!」

びゅく、と白濁を放つ。
と、同時に。


ガチャン、と最悪のタイミングで。
ドアが開いた。




「―――――――!の、野田?」

驚いた表情を浮かばせる音無。
やばい、と脳が指令を出すが体はうまく動かない。


「はっ…ぁ、あ…」

びくりと余韻に震えるのを落ち着かせようとしたが、中々そうはいかなかった。

音無がベッドまで寄ってくる。
何か言おうとする、けど言える事なんてない。
目線を逸らし動けないままでいると、ぐっと手を掴まれた。

白濁に濡れた手を掴まれ、べろっと舐めあげられる。
温かい舌の感覚に、体が戦慄く。


「んぁ…、音無…っ」
「我慢出来なかったのか?」

達したばかりの思考は甘く溶けきっていて、この現状に羞恥を覚えるより先に、こくりと頷いてしまった。
ぎしん、とベッドが悲鳴を上げる。


「野田」

その声に、足りなかったものが埋められていく気がした。

満たされる

声に、温かさに、感覚に、
貴方が持つ全てに、
"満たされる"


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