暇だ。いや、正確に言えば仕事もあるし暇じゃないんだけど、それでもやっぱり暇だ。 そう考え始めたのが10分くらい前で、ぐだぐだと机に突っ伏してたのが5分前。 そしてシズちゃんに「家に来て」とメールを送ったのが、2分前。 なんで俺が行かないかって、外が暑いから。 汗かいたりするのあまんまり好きじゃないんだよね。 勿論の事、今俺がいる仕事場であるここは、クーラーをガンガンにかけてある。 地球温暖化とか知った事じゃない。 人間って希薄だしね。 メール返ってくんのまだかな、とぼーっとしていれば、聞き慣れた電話の着信音が鳴った。 ディスプレイを見るとやはりシズちゃんで。 「もしもし」 『…いきなり家来いってどういう事だ?』 「いや、暇だったから」 『てめぇの都合で呼ばれても困る』 「えー、でもシズちゃんも暇でしょ?早くおいでよ」 『はぁ…』 シズちゃんはため息を着いたと思えば、電話を切ってしまった。ひどい! 掛け直そうとした矢先、インターホンが鳴る。 まさか、と見てみればそこにいたのはシズちゃん、で。 「早かったねシズちゃん、やっぱり俺に会いたかったの?」 「…たまたま手前の家の近くにいただけだ」 まったくそんな事言っちゃって。 そんなの言い訳にしかならないよ。 証拠に、抱き締めてちらりと盗み見た横顔は赤く染まっていた。 いつでもすぐに (「ねぇシズちゃん素直になりなよ」 「だからたまたまだっつってんだろ!」) |