「あ、ぅ、んんっ…!」
「は…っ、野田、」

ぐちゅりとわざとらしく音をたてながら、出し入れを繰り返す。
ぎゅっと目を瞑って首に回した手に力を込める野田が可愛くて、近くにある耳に甘噛みする。

「ひぁぁあっ!あ…ッ!」
「っ、野田?」
「しゃべ、るなぁ…!ふぁんっ!」
「耳、気持ちいいのか?」

びくびくと体を震わして甲高い声を上げるのと同時にきゅう、と締め付けられてしまう。
どうやら野田は耳が弱いらしい。
一旦動きを緩くし、はむはむと耳たぶを噛んだり耳に舌を入れ掻き回したりすれば、たまらないらしい。

「や、ぁ、ふじまき…っ!ふぁ…」
「えっろ…」

耳から顔を離し、生理的な涙で濡れている頬をべろりと舐め上げる。
体をしならせて薄く開いた目でキッと睨まれたが、それにはいつものような怖さはなく、可愛いだけだ。

「も、はや、く…!」
「はっ、野田は淫乱だな…!」
「ちが…ぁッ!」

違う事なんてない。
無意識だろうがゆらゆらと揺れる腰はどう見ても誘ってるとしか思えないし。
焦らしすぎたからか?

「野田、しっかり掴まっとけ」
「ん、藤巻、」

野田は素直に手を首から背中に回し、キスをせがんでくる。
ちゅ、と口付けて一気にディープなものへと切り替えて口内を貪り、腰を動かす。

「んっ!んうぅ、んんッ!」

思いっきり中を穿ち、段々とその速度をあげていく。
熱に陶酔した今の状況では、理性なんてとっくの前になくなっている。
ぐちゅぐちゃと湿った水音が鼓膜までをも甘く溶かしてゆく。

「あぁ、やっ!は、ん、ふじまきぃ…!」
「気持ちいいか?」

そう聞けば、こくこくと頷く野田。
本音を言うとそれを聞いているほど余裕はない。

ギリギリまで抜いて奥まで押し込み、イイところを刺激してやるとびくんと体が跳ねた。
お互いにもう限界が近く、本能的に動かされるまま、中を穿った。

「ぁぅ、うぅっ、イく…も!ぁあ…!」
「俺、も…っ、中出すぞ…ッ」
「や、藤巻っ!ふ、あ、あ、ひぅ!」

ふるふると力なく首を横に振られたが、気にしている余裕もなく、一番奥を突いた。

「ふぁ、あ、ひぁああぁぁっ!」
「っく、はぁ…っ」

一際高い声を上げて、野田が達する。
それと連動するように強く締め付けられ、俺は宣言通り野田の中へ白濁を吐き出した。

野田はぱたりと俺の背中に回していた手を下ろすと、はぁはぁと荒い息のまま、余韻に浸った目で俺を見上げた。

「は…っ、貴様…中に出すなと…んっ」
「ごめんごめん、野田が可愛すぎてつい」
「…っ、黙れ」

ずるりと自身を引き抜いてそう答える。
まぁ反省はしてないけど。
くたりと脱力したままの野田が出した、腹に散らばった白濁をティッシュで適当に拭い、ばふりと横に倒れ込む。

「野田ー、ほら、こっち向けって」
「…」

つんつんと俺に背を向けたままの野田の肩をつっつく。
そうすれば、不機嫌な表情をしながらもくるりとこっちを向いてくれる。

向かい合って抱き締めると、肌の温もりや鼓動がダイレクトに伝わってきた。
野田は力の入らない手で抱き返してくる。

「疲れた…もう寝る」
「はいはい、おやすみ」

すっと目を閉じる野田。
可愛げのない言葉に苦笑して、唇に小さく口付けた。

甘い熱だけ残して

静かに眠りにつく君に
愛してると囁いた

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