シズちゃんは、甘いものが好きだ。
外見からすると中々そうは見えないが、結構な甘党なのだ。


「ん、おいし」

因みに今も俺の隣で、シズちゃんはむぐむぐと口を動かしてクレープを頬張っている
ああ、可愛い。

クリームが口元に付いているが、それを気にするまでもなくまたクレープにかじり付く。


俺は甘いものを食べれないってわけじゃないんだけど、甘過ぎるものはそれ程好きではない。

だからシズちゃんが甘いものを美味しそうに頬張っている姿を手元にある缶コーヒーを嗜みつつ眺めるのが最近のスタイルだ。



「…なにじろじろ見てんだ」
「いや、可愛いなーって思ってただけ」


途端、シズちゃんがクレープを口に運ぶ手を止めたと思えば少しだけ赤い顔を見られたくないのか、目線を逸らす。


「シズちゃん、そのままじっとしてて」
「は?」


ぽかんとした表情をしたシズちゃんの頬、クリームが付いている場所にちゅ、と口付け、クリームを舐め取った。

甘い。



「ちょ、てめ、なにしやがる…っ!?」

混乱した様子でクリームが付いていた場所を手で押さえるシズちゃんは、そりゃもうなんていうか、とにかく可愛い。
くそ、なんでこんなに可愛いんだ。


「クリーム付いてたから取っただけだよ?」
「〜〜〜っ」

俺がそう言うとシズちゃんは諦めたように顔を逸らしたまま、食べかけのクレープへ口を付けた。


甘く痺れるかなしばり

(「次どこ行く?」
「…シュークリーム食べたい」
「はいはい、じゃあ行こうか」)



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