【第五章】時隠し 編 −プロローグ−


私がこの世界に来て手に入れたもの

「ちっちゃい…銀さん?」

何よりも愛しくて大切なもの

「誰だお前?」

人生で一番大切なものは 、何一つ変わらずに

「今日から貴方も私たちの家族ですよ。」

ずっと傍にあった

「松陽…先生?」

貴方たちと出会ってから

「仕様がねぇから、春歌は俺が守ってやるよ。」

私はそんな大切なものを手に入れることが出来たんだ

「俺に指図すんじゃねぇよ。」
「春歌殿が困っているではないか。」
「彼らをお願いします…。」

彼らを守るため?

「やだよ、生きて…諦めないでよっ!」

ただ悲劇を嘆くため?

「…何も出来ないなんて、嫌だよ…。」

私は此処で何をすれば良いの? 何を待っているんだろう。分からない……だけど

「ずっと傍にいるから。私は絶対に諦めないから。」

ただ嘆くだけなんて嫌だった

「おかえり。」

私はただこの言葉が聞きたかっただけなんだ
だから私はこんなにも守ろうと必至になれたんだ

時隠し 編

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