メス豚モード全開


「銀さんの妻の猿飛あやめよ。さっちゃんって呼んでいいわよ。」
「ふおおお!わ、私、銀時さんのお宅に居候させていただいてる音宮 春歌と申します!」
「だから春歌ちゃん、ストーカーだってば。」
「…は!そうか!」

あまりのナチュラルさにうっかり、自己紹介し返しちゃったじゃないか。恐るべしストーカー!

「あーもう良いからお前は早く帰れ。何かもう全体的に気持ち悪い。」
「また銀さんったらそんなこと言って!私を悦ばそうとしてる魂胆が見え見えよ!良いわ乗ってあげる!さぁ、もっと私を蔑みなさい!
そして早く私を快楽の海に突き落としてちょうだい!」
「だから気持ち悪ィんだよォォォォ!」

何というか自分の道をイっているというか、自分の欲望に忠実というか…。私、人の性癖に対して偏見とかそういうの持ってないから別に良いんだけどね。人は人、自分は自分。みんな違ってみんな良いが私のモットーだからさ。大して、さっちゃんがどうのってことはないけどゴメンやっぱり気持ち悪い

「そうよ!もっと私を罵って!皆が見てるこの場でもっと私を辱めなさいよ!」
「救急車ァァァァ!」
「銀さん、救急車が来たところでもう手の打ち様がありませんよ。」
「これはもう重症ネ。末期患者ヨ。」

もうどうでも良いという風に投槍な言葉を返す新八くんと神楽ちゃんに、さっちゃんは2人にキっと鋭い視線を向けた。腕を組んで2人を見下ろすさっちゃんは、さながら女王様だ

「貴方たちに罵られても不愉快極まりないだけよ!口を慎みなさい!」
「お前が口を慎めよォォォォ!」
「あァァァん!銀さァァァん!」

どうしよう、何かもうあまり関わりたくない。あまりじゃない、もうぶっちゃけ知り合いとも思われたくない

「…あの、私そろそろ買い物に行かなくちゃいけないから行くね…。」
「あ!春歌、俺も行く!いちご牛乳買いに行くつもりだったしな!」

銀さん止めてぇぇぇ!この場から逃げるための口実に私を使わないでよ!それにまだ家にいちご牛乳のストックがあるの知ってるんだからね!

「……貴方…居候って言ってたけど…銀さんの何なのよ?」

ほら見ろぉぉぉ!分かってた!こうなるって分かってたからね!?さっちゃんの視線もの凄く怖いんだけど!本当、何してくれてんだよ!という思いを込めて銀さんを睨み付ければ、慌てて目をそらした挙句、下手くそな口笛を吹いていた。この天パが…っ!

「…私は、ただの居候でそれ以上でも、それ以下でもありませんよー。」
「ま、お前よりかは親密だけどな。」
「神楽ちゃんんんんんん!?」

何、言ってるのこの子!?親密って言ってもまだ1週間しか一緒にいないからね!キミたちは私を不幸にするフラグ造成所が何かですか!?

「貴方…春歌って言ったわね…ポッと出の分際で、ちゃっかり銀さんの隣をキープするなんて…この泥棒猫!」
「えェェェェ!!」

さっちゃんはキっと私を睨み付けると、見せつける様に銀さんの腕に手を回して引き寄せた。その勢いがあまりにも良くて、銀さんの腕からボキっという鈍い音と「ぎゃァァァァ!」という悲鳴が銀さんのその口から飛び出した。ご愁傷様です

「銀さんは私の男!銀さんのドSプレイに耐えられるのは私しかいのよ!」
「ぎゃァァァ!これ折れてる!折れてる!折れてるゥゥゥゥゥゥ!」

銀さんは悲鳴を上げながら必死にさっちゃんから逃げようと暴れるが、離れようとすればする程、さっちゃんが離すまいとその腕に力を込めている。それに比例して銀さんの上げる声と、動きは激しくなっていく。銀さん、もう何ていうか全てが裏目に出てるよ

「さっちゃんさんちょ、落ち着いてください!さっちゃんさんのドSプレイに銀さん耐えられてませんからァァァ!」
「何、言ってるのよ私は生粋のドMよ!私が銀さんにドSプレイする訳ないじゃない。ね、銀さん。」
「折れてる!これ絶対折れてるよ!折れてる!?折れてるよね!?え、折れてる!?やっぱり折れてるゥゥゥゥゥ!」

その捕まれた銀さんの腕を必死に引きはがそうとする新八くんと、自分は銀さんだけのメス豚だと豪語するさっちゃん。銀さんに至ってはもう白目剥いちゃってる。何だこれ面倒くせえ…というか恥ずかしい…

「…神楽ちゃん、一緒にスーパー行こうか。酢昆布、買ってあげるよ。」
「やったアル!私、荷物持ちするヨ!」
「ありがとう。さ、行こうか。」


メス豚モード全開
(早く買い物言行ってさっさと戻ろう…)

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