「『…ッレ、レラシオッ 放せ!』」
パシンッ
私は咄嗟にローブに入っていた杖を取り出して、アイツに向けて攻撃の呪文を投げつけた。自分を掴んでいる相手を突き飛ばす呪文。それを浴びアイツが驚いている隙に私は急いで地面へと降り立った
「おやおや、不思議な技を使うみたいですね。…エクソシストですかね…。」
「…ごほっ、ごほっ…、…はぁ…、」
私は空気の少なくなった肺に大きく息を送り込んで、攻撃を受ける前に杖の切っ先をアイツに向けた
「…っ簡単に殺られてたまるかっての!」
「ふふふ、それは楽しみがいがあって何よりです。」
ニタリと見下した笑い方をするソイツに恐怖よりも苛つきが勝り始め、私は絶対に倒してやると杖を振り上げた
「『ステューピファイッ 麻痺せよ!』」
「おや残念。はずれですよ?」
「『ディフィンド 裂けよ!』」
「それもはずれです。」
私の次々仕掛ける攻撃呪文を、アイツは背に生えた大きな翼で弾いていく。その翼は鉄の様な頑丈な物質らしく、鎧としてアイツの身体を守っているみたいだ。それならやることは決まってる。その翼を砕くまでのこと!
「『レダクト 粉々!』」
ガシャンッ
「…っく、」
私の放った呪文を最初と同様、翼で弾こうとしたアイツは、物質を砕く呪文を真正面から浴びてその翼を失い、驚きの表情のまま地面へと崩れ落ちていった。だけど未だアイツの視線から殺気は消えないまま
「本当、気分悪い。」
私は杖をひょいっと振って地面に転がっている廃墟の瓦礫を、アイツのいる場所へと落とした。けたたましい瓦礫の音と地響きを響かせながら、山の様に積まれた瓦礫のお陰でアイツの姿は完全に見えなくなってしまった
「ま、これで大丈夫かな。」
案外呆気ないもんだ。あんなに強い殺気を放つくせにこんなに簡単に殺られるなんて。もわもわと立ち上る砂埃を満足げに見やって、私はくるりと振り返った
「どうやら爪が甘かったようですねお嬢さん。」
「っな!?」
視界に広がるアイツのニタついた顔と鋭い爪。いつの間にあそこから抜けだしたの!?そんなこと考えている時間さえも与えてもらえずに、アイツは尖った爪を私の頭へと振り下ろす。確実に頭を貫かれると思った瞬間、私の身体は暖かい誰かに包まれていて
「怪我はないさ?」
「……え…?…は、はい…。」
必至にコクコクと頭を縦に振って答えると、その男は満足そうに笑うと、いつの間にかアイツに向かって大きな槌を構えていた
「じゃぁ始めるさ、AKUMA。」
血の様な紅を持った人
(それは闇に映える優美な紅)
パシンッ
私は咄嗟にローブに入っていた杖を取り出して、アイツに向けて攻撃の呪文を投げつけた。自分を掴んでいる相手を突き飛ばす呪文。それを浴びアイツが驚いている隙に私は急いで地面へと降り立った
「おやおや、不思議な技を使うみたいですね。…エクソシストですかね…。」
「…ごほっ、ごほっ…、…はぁ…、」
私は空気の少なくなった肺に大きく息を送り込んで、攻撃を受ける前に杖の切っ先をアイツに向けた
「…っ簡単に殺られてたまるかっての!」
「ふふふ、それは楽しみがいがあって何よりです。」
ニタリと見下した笑い方をするソイツに恐怖よりも苛つきが勝り始め、私は絶対に倒してやると杖を振り上げた
「『ステューピファイッ 麻痺せよ!』」
「おや残念。はずれですよ?」
「『ディフィンド 裂けよ!』」
「それもはずれです。」
私の次々仕掛ける攻撃呪文を、アイツは背に生えた大きな翼で弾いていく。その翼は鉄の様な頑丈な物質らしく、鎧としてアイツの身体を守っているみたいだ。それならやることは決まってる。その翼を砕くまでのこと!
「『レダクト 粉々!』」
ガシャンッ
「…っく、」
私の放った呪文を最初と同様、翼で弾こうとしたアイツは、物質を砕く呪文を真正面から浴びてその翼を失い、驚きの表情のまま地面へと崩れ落ちていった。だけど未だアイツの視線から殺気は消えないまま
「本当、気分悪い。」
私は杖をひょいっと振って地面に転がっている廃墟の瓦礫を、アイツのいる場所へと落とした。けたたましい瓦礫の音と地響きを響かせながら、山の様に積まれた瓦礫のお陰でアイツの姿は完全に見えなくなってしまった
「ま、これで大丈夫かな。」
案外呆気ないもんだ。あんなに強い殺気を放つくせにこんなに簡単に殺られるなんて。もわもわと立ち上る砂埃を満足げに見やって、私はくるりと振り返った
「どうやら爪が甘かったようですねお嬢さん。」
「っな!?」
視界に広がるアイツのニタついた顔と鋭い爪。いつの間にあそこから抜けだしたの!?そんなこと考えている時間さえも与えてもらえずに、アイツは尖った爪を私の頭へと振り下ろす。確実に頭を貫かれると思った瞬間、私の身体は暖かい誰かに包まれていて
「怪我はないさ?」
「……え…?…は、はい…。」
必至にコクコクと頭を縦に振って答えると、その男は満足そうに笑うと、いつの間にかアイツに向かって大きな槌を構えていた
「じゃぁ始めるさ、AKUMA。」
血の様な紅を持った人
(それは闇に映える優美な紅)