のこのバレンタイン2

「…えっと…己…何かしただろうか…」
のこの視線に気付いたライアが焦ったように言った。
「…したわ。そりゃあもう酷いことをね…」
ちょっと仕返ししてやるんだから
のこは笑いそうなのを堪えながら、偉そうに言った。
「す、すまない…!何をしてしまったのか、教えてくれぬか!?」
ライアのあまりの慌てぶりに堪えられなくなったのこは、思いっきり吹き出してしまった。
「!?」
「あははは!慌てすぎ!!」
のこは、さっきのことも忘れて、腹を抱えて笑った。
「な…なんだ?怒ってないのか…?」
ライアはころころと表情が変わるのこに目を白黒させる。
「えー?…さあ、どうかな」
悪戯っ子みたいに言ったのこは、チョコレートの箱を再度差し出した。
「受け取って、くれる?」
―あぁ、これがのこだ。―
ライアは目の前に差し出された箱を、迷わず受け取った。
「…また、あんな目で見られたら敵わぬからな」
ライアは笑顔だった。
「あと一つ、受け取って欲しいのがあるの」
「…なんだ?」
「…言葉で言わなきゃ、伝わらないのよね?」
「?」
「私ね、ずっとライアのこと」


甘い甘い恋が二つ

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