花火1


「カナデんとこ、お祭り行くんだと」
先程まで玄関で話していたユウキが、リビングにいるみんなに言った。
「さっき、のこと似た雰囲気の子が浴衣借りに来たんだよ」
「…フォルクローレね。いい加減名前覚えてあげなさいよ…。幼なじみの手持ちなんだから」
のこは、ソファーに座ったままユウキに言った。
カナデとは、ユウキの幼なじみである。
学校を卒業してからイッシュ地方に旅に出たのだ。
「フォーク、なんかすごい幸せそうだったわ」
「恋だね!」
「恋ですね」
ライカとルゥが声を揃えて言った。
恋愛のことになると、なぜかうるさくなる2人だ。
「はぁ…あの子とメッツォ、ラブラブだもんねー。浴衣に時限爆弾仕掛けとけばよかったわ」
のこがソファーの上でうなだれた。
その時、ライアが買い物から帰ってきた。
「ただ今帰った」
「おかえりー!麻婆豆腐の材料買ってきたー?」
ユウキがドタドタとライアに駆け寄る。
「安心しろ」
いつもなぜか買い物はライアだ。おかげで、いつも通うスーパーの店員には顔を覚えられたらしい。
「あぁぁぁ……」
のこは、フォルクローレと自分を比較して更に落ち込んだ。

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