最終話

ガチャ
「のこーっ!宅急び…」
「………」
「………」
ユウキが入ってきた
「……ぐすっ…いつもいつも…あんたたちっていうのはさ……ぐすっ……」
「のこ!?ど、どうした!?」
ライアが、いきなり泣き出したのこに駆け寄った
「あ…はっはー…。やっちゃった☆」
ユウキは悪気は無かったんだよと言い訳するが、のこはティディベアを抱きしめながら泣いている。
「お、己のせいか!?」
「違う違う私のせいさっ☆」
堂々とした犯人だな
のこは腹が立ちながらも、ライアの言葉を思い出していた。
「ごめんてー。悪かったってー。マジ今回は意図的じゃないマジで」
「ユウキ…何をした?」
「ライアまでキレんなって!ライアも見てたろ!何もしてないけど重大なことをしたんだよ!」
「意味が分からぬ」
ライアは、私のために、私だけに指輪を作って贈ってくれた。
ティディベアだって、作ってくれたし、チョコのティディベアだって作ってくれた。
きっとこれがライアの最大の感情表現。
私だけに。特別に。
「ふひひ」
「だから何も……え?」
うずくまったままいきなり笑い声をあげたのこに、ライアもユウキも言い合いをやめた。
「ううん……十分よ。私、すっごく嬉しかった。めちゃくちゃ幸せ。だから大丈夫」
着物の袖で涙を拭った。
「…本当に大丈夫か?」
ライアが心配そうに聞いてくる。
「うん…大丈夫。でもユウキはあとでしばく」
「え゙!?」
「…大丈夫ならよかった…」
心底安心したように言って、立ち上がった。
「…死なない程度にな」
そういって、ライアが部屋から出ようとした。
「あ、ライア!!本当にありがと!ずっと大切にする!」
そうライアに言うと、笑顔で手を軽く挙げて部屋を出て行った。
その手には
「あ」
のこに贈った指輪と色違いの指輪がはめられていた。
「ねぇ何もらったのねぇ教えてよねぇねぇ」
「ふぶき」
「あう」




そんな
器用なくせに不器用な君が

だいすき、です。


END

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