のこのホワイトデー2


「…今日はホワイトデーだ」
「え!?あ、そ、そうだっけ!あらー私ったらすっかり忘れてた!」
嘘臭さ満点。
「それで、いつも世話になっているから、今年は色々と作ったんだが…受け取ってもらえぬか?」
ライアがいつの間にか大きめな箱を持っていた。
どっから出したよ!っていう疑問はしまい込んで、作ったという言葉にちょっとにやっとしながら
「え、本当!?うわぁ嬉しいっ!…開けてもいい?」
ライアが無言で頷いたので、箱を受け取って開けてみた。
「うわぁぁっ!」
演技でも何でもなく、感動した。
「え、これ作ったの!?」
「あぁ」
中には、なにやら凄すぎるチョコでできたくまさんが入っていた。
「え、これ作ったの!?」
あまりの精密さに、もう一度尋ねたが、返ってきた言葉も同じだった。
「いやこれは食べれないわよこれは無理だ永久保存版だこれは」
小さくつぶやいた。
「…まだある」
またどっからか出した大きめな箱を机の上に置いた。
開けていい感じの空気だったので、開けてみたら、中には可愛らしいティディベアが入っていた。
ライアは、何故かのこがティディベアが大好きということを知っている。
去年も市販ではあったがティディベアをくれた。
「いやー!かわいいー!え!?めちゃくちゃかわいい!え!?」
のこが少女のようにはしゃいでいる。
そんな姿を見て、ライアは微笑んだ。
「え!?これ作ったの!?」
「あぁ」
三回目になる質問に、笑いながら答えた。
「裁縫なんて女々しいと思ったんだが…やはり市販のものは気に入らなくてな」
どうやら自分が気に入らないものは贈らない主義らしい。
「…ん?」
のこが、にまにましながらティディベアを抱き抱えると
ティディベアが何か持っていることに気が付いた。
小さな、しかししっかりした箱だ。
見たことあるぞコレ
一瞬見なかったことにしたかったが、ライアが沈黙している以上それは無理であろう。
一応…聞いてみよう


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