セピアのホワイトデー


ピンポーン
「あ、誰か来た」
フリルとライカが取っ組み合いをしているところにインターホンがなった。
「はいはーい」
フリルが玄関に向かい、ドアを開けると
「お、こんにちは。」
セピアの恋人のディオンが立っていた。
「あー!ディオンーっ!どうしたのー?セピアに用事ー?」
ホワイトデーに気付いていないフリルは首をかしげて尋ねた。
「うん、そう。フリルちゃん、セピアを呼んでくれるかな」
「いいよーっ!セーピーアー!ディオンが呼んでるぅー!」
フリルの予想外な大声に、ディオンは思わず目をつむった。
そして、目を開けたときには、満面の笑みで自分に飛び込んでくるセピアの姿が映った。
「…はやっ」
ディオンは、抱き着くセピアの頭を撫でながら笑った。
「ディオンーふふーっ。どうしたのー?」
そうやって尋ねるセピアの顔は、完全に期待で満ち溢れている。
「ははは…そう、大好きなセピアに、プレゼントだよ」
んふぃーと変な笑みを浮かべて、ディオンがゴソゴソとプレゼントを取り出すのを見つめている。
「はい。どうぞ」
微笑むディオンの手の上には、水色と茶色の可愛らしい箱が乗っていた。
「うわぁあっ!かわいいのーっ!見たいの見たいのーっ!」
セピアは目をキラッキラに輝かせている。
「うん、いいよ。でも、気に入ってもらえるかな」
ディオンは困ったように言ったが、セピアはブンブンと頭を横に振った。
「ディオンがくれるものは、ぜーんぶセピアの宝物なのーっ!」
純粋にそんなことを言うセピアに安心して、箱を開けて中身を見せてあげた。
「ふにゃーっ!ゆびわぁーっ!かわいいのーかわいいのーっ!!」
飴とクッキーの横に、指輪がちょこんと入れられていた。
「セピア、指輪に憧れてるみたいだったから…。」
喜ぶセピアを見てまたディオンも嬉しそうに微笑む。
前から、ライアがたまにつける指輪を羨ましそうに見つめていることに気付いていた。
「うんうん!嬉しいのーっ!ありがとうなのーっ!大好きなのーっ!!」
ぎゅぅうっと抱き着いたディオンの指にも、セピアとお揃いの指輪。




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