烏に愛を叫ぶだけ

2011/03/02 20:40 [小ネタ]




「うっ……う、遊星」

力無く地べたに座り込んだ俺からは何とも情けない掠れた声だった。
こんなに情けない声を出したのは何時ぶりだったか。今よりまだまだ小さい時以来じゃないだろうか。ああ、なんて情けない。でも、そうは思いながらも今はどんなに情けなくても良いとも思える。だって寂しさで孤独でこの身が砕けてしまいそうだ。ああ遊星、遊星遊星!


「クロウ」


低い声が俺の名前を呼んで、それが俺を現実へと連れ戻す。遊星が、ジャックが、ガキ達が居ない現実へ。
さて、この声は誰だったか。確か、そう、ルドガーだ。俺達のボス、らしい。
そのルドガーが何の用だろうか。俺はただ呆然とルドガーを見上げた。

「苦しいのか、クロウ」

ルドガーは俺を見下ろしたままそう問い掛けた。

「ああ、苦しいよ」

苦しくてしょうがない。だって、ここには守りたいものも、守りたかったものもない。独りで生きていく道しかない。そんなの寂しいじゃないか。辛いじゃないか。

「ならその苦しさから解放してやろうか?」

そう言って俺の前に膝をつくルドガーは、笑っているように見えた。本性は暗くて見えない。
「クロウ、お前には今からシグナーに会いに行ってもらう」
「シグナーに?」
「ああ。ジャックアトラス、そして不動遊星にだ」

後者の名前に、身体が震えた。先程まで俺の頭を巡っていた相手。遊星。

「遊、星」
「そうだ。我等ダークシグナーの敵、不動遊星だ」
「敵……」
「俺達が憎むべき、戦うべき相手だクロウ」
「遊星が憎むべき、戦うべき相手?…んなわけない、そんなのあるわけっ」
「ならこの痣は何だ」


右腕を乱暴に握り上げ、俺の右腕に刻まれた痣をましまじと見せつける。

「それは証だ。私達がシグナーの敵であるという。そして、不動遊星にもあるのだ。私達ダークシグナーの敵であるという証が!クロウお前はよく知ってるはずだ。不動遊星の右腕の痣を、それが何の形をしているのかを!」

「ここで飽きた」


END

蟹の余韻の前みたいな話(でも飽きた)
情緒不安定な黒たんとルドガーさんは何かエロいというか犯罪臭がするというか…。そうゆうのが書きたかった私は病気(病院が来い)




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