キミハルの独白

 ──皆、いい気なものだ。

 どこともつかない空間で、青年は胸中で独りごちた。
 辺りは真っ白で、ずっと見つめていると気が狂いそうではある。自分はそうはならないが。

 眼だけ笑っていない笑みで、青年は両腕を広げる仕草をした。

 ──皆、俺の所業さ。

 ドッペルゲンガーを寄越したのも。
 洞窟に魔物をけしかけたのも。
 魔王を小さくした原因も。

 そして──俺は、

 天界と……神と、繋がっている。切っても切れぬ縁。業。

「今──見せてやるよ。本当の“天国”ってヤツをな」


──fin.