▼ エピローグ
「おいいいい、待て、スノウ!」
ふたりは険しい道を歩いていた。すいすいと進んで行くスノウに、アグレイは情けない声音を向ける。
「まったく。相変わらず、アグレイは体力がない」
「……逆によ。お前は疲れねえの?」
スノウはふるふるとかぶりを振り、
「全然疲れない」
「……」
いつものやり取りをする。いつもと同じだけど、「気持ち」は今までとは少し違う。
──見つけに行くんだ。コイツと。「幸せ」ってヤツを、一緒に。
──これから紡がれるお話は、とある男女の旅物語。根なし草ではなくなったふたりの、恋には至らないけれど、確かな絆の物語。
fin.
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