▼ 日々
夜中に、ザインは目を覚ました。ふと真横を見遣ると、そこにはジグの姿があった。彼はベッドに上半身を預けて、うずくまる形で眠りについていた。
「…………」
……そっか。コイツが俺を想ってくれるように……俺も、コイツの傍にいたいんだ。
手合わせして負けて、コイツの言動に振り回されて、でもそれが──俺には、嬉しかったんだ。
ジグの頭を、そっと撫でてやる。
「……ありがとな」
これからもそんなやり取りを、繰り返して行くんだろう。
ほんの少しずつ、変化の兆しを見せながら。
fin.
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